国土交通省は事業用自動車総合プラン2025において、明確に、ロボットによる点呼を実施する方向性を打ち出しました。
「運行管理者は、運転者の乗務前後で、酒気・疾病・疲労の確認、運行の安全確保のために必要な指示等を確実に行うためには原則対面で点呼を実施する必要がある。現行制度において優良事業者にのみ導入が認められているIT点呼(遠隔点呼)について、ICTを活用した高度な点呼機器を使用することを要件に、導入対象とする事業者を拡大できる可能性がある。また、点呼支援機器(ロボット等)に点呼における確認、指示項目の一部または全てを代替させて点呼を行う自動点呼も実現可能性が出てきているところ、事業者が安心して使用できる機器を選定できるような制度について検討する必要がある」
そして、早速国土交通省は令和3年3月に「運行管理高度化検討会」を立ち上げ、運行管理業務の高度化に向けた自動点呼導入の制度構築を目指し始めました。
「運行管理高度化検討会」では4つの規制緩和をまとめて行っています。
・遠隔点呼の拡大
・運行指示書の一元化
・運行時以外の運行管理業務の一元化
・自動点呼の導入
自動点呼は4つの高度化業務のうちのひとつで、事業者から大きな注目を集めています。
そう、自動点呼やロボットによる点呼とは、「機械化によるセルフ点呼」、を意味するからです。
本サイトは、国土交通省のプラン2025や運行管理高度化検討会の情報を中心に、自動点呼に関連する諸情報をお届けいたします。
自動点呼には、大きく2種類あります。
乗務「前」自動点呼、そして、乗務「後」自動点呼。
国土交通省は、運行可否を伴わない「乗務後自動点呼」の制度化から始めることとし、2021年から実証実験をはじめています。
2021年~2022年にかけて行われた業務後自動点呼の実証実験。国土交通省は業界団体に呼びかけ参加事業者を募り、結果、バスは5社、タクシーは4社、トラック10社、合計19の貨物・旅客自動車運送事業者が実証実験を実施してきました。
このような実験を経て、以下、乗務後自動点呼の要件がだんだん固まってきました。
実証実験の詳細報告は、2021年12月運行管理高度化検討会の
https://www.mlit.go.jp/common/001447582.pdf
を参照ください。
2022年11月24日 乗務後自動点呼のルールを規定する「乗務後自動点呼要領」という文書のパブリックコメント意見募集が始まりました。
2022年12月7日 乗務後自動点呼のルールを規定する「乗務後自動点呼要領」への結果が公表されました。
2022年12月 自動点呼制度が解禁され2022年12月 自動点呼制度が解禁されました。まずは、乗務後から。
2022年12月20日 国土交通省は乗務後自動点呼制度を開始しました。報道資料はこちらです。
本制度により、乗務後の点呼は、いわゆるロボットでできるようになりました。詳細は以下文書にてご確認ください。
2022年11月24日 乗務後自動点呼のルールを規定する「乗務後自動点呼要領」という文書のパブリックコメント意見募集が始まりました。
2022年12月7日 乗務後自動点呼のルールを規定する「乗務後自動点呼要領」への結果が公表されました。
国土交通省は、2023年3月31日をもちまして、上記にある実証実験から2022年12月20日の乗務後自動点呼実施要領公布に至るまで使用していた関連文書を、公式のものに改める規則改正を行いました。
2023年4月1日以降、業務後自動点呼(乗務後という言葉は、業務後という言葉に置き換わっています)を申請する方は、以下、最新の規則および申請書をご利用ください。
2023年3月31日 報道資料 ”道路運送法施行規則等の一部を改正する省令等が公布されました”
乗務後自動点呼実施要領は廃止され、業務後自動点呼実施要領となりました。
自動点呼(業務後)と遠隔点呼は対面点呼同等であると定義されました。
1. 対象業種
第一章 Ⅱ 用語より
遠隔点呼とほぼ同じ
2. 営業所でも、車庫でも可
第一章 Ⅱ 用語より
遠隔点呼とほぼ同じ
3. モグリは NG
IT点呼や遠隔点呼の申請書とほぼ同じ
遠隔点呼とほぼ同じ
4. 自宅使用は NG
遠隔点呼とほぼ同じ
5. 非認定機器 NG
乗務後自動点呼に用いられる自動点呼機器は、 届出時において第2章の規定に基づき認定を受けた機器であって、
2年の有効期限内であるもの。
遠隔点呼は機器認定制度はないが、
自動点呼機器は認定制度がある。
6. 法的に、対面点呼と同等。
事業者が、本実施要領に基づいて乗務後自動点呼を行った場合、当該事業者が、旅客自動車運送事業運輸規則第24条第2項及び第4項又は貨物自動車運送事業輸送安全規則第7条第2項及び第4項の規定に適合する対面による点呼を行い、
かつ、運輸規則24条第5項、輸送安全規則7条第5項による記録等を行ったものとして取り扱うものとする。
遠隔点呼とほぼ同じ
遠隔点呼とほぼ同じ
遠隔点呼とほぼ同じ
遠隔点呼とほぼ同じ
点呼執行者欄に「ロボ太郎」とか、書かない。
機能(ス)
遠隔点呼とほぼ同じ
機能(セ)
遠隔点呼とほぼ同じ
機能(ソ)
遠隔点呼とほぼ同じ
乗務後自動点呼要領
Ⅱ 申請
1 取扱い説明書
2 修理体制
3 不具合情報等の収集
4 品質管理体制
<製作者の責務>
✔ メーカーは、自動点呼機器の機能及び体制等を維持しなければならない。
✔ メーカーは、仕様の変更時は、軽微であるないにかかわらず「仕様変更届出書」を提出しなければ
ならない。
✔ メーカーは、製造、販売終了時は、「認定廃止届出書」を提出しなければならない
<認定の取消>
国土交通省は、製作者等が虚偽の申請により自動点呼機器の認定を受けたこと又は認定機器が本実施
要領第2章Ⅰに定める要件に適合しなくなったことを確認したときは、当該自動点呼機器の認定を取
消し、速やかに製作者等に通知するとともに、国土交通省ウェブサイトに掲載する。
結果
1. 施設・環境要件
遠隔点呼とほぼ同じ
1. ロボットやります社内広報と運行管理規定
遠隔点呼とほぼ同じ
2. 自動点呼に関する教育・指導
4. 自動点呼機器の設備管理
遠隔点呼とほぼ同じ
5. 点呼未実施防止義務
6. 点呼未完了(未実施)モニタリング体制
7. 携行品確認体制(キー戻した?)
遠隔点呼とほぼ同じ
8. 早急に報告すべきことは直接運行管理者に
9. 酒気帯びNG! そのときどうする?
遠隔点呼とほぼ同じ
10. 自動点呼故障時体制とは?
遠隔点呼とほぼ同じ
11. 同意
遠隔点呼とほぼ同じ
2022年9月時点運行管理高度化検討会「条件付き自動点呼」
「すぐそばにいばきゃいけない」にだまされるな
Q&A
適切な措置その1
適切な措置その2
適切な措置その3
適切な措置その4
適切な措置その5
適切な措置その6
故障時の体制(対面点呼に切り替えられるように)
故障時に「実施が認められている点呼方法」で
申請事例:トラック本社と、車庫、2ケ所で使う場合
申請事例:タクシー会社 深夜終業ドライバーの乗務後点呼
ハードルが高い(一般論)にだまされない。
社長がデシタル反対? 管理者がデジタル苦手?
デジタル現場人材? 心理的な不安?
コミュニケーションがなくなる? お金?
現状の点呼数で(100%じゃないけど)問題ない
遠隔点呼は6ヶ月で 数100社 270ヶ所
企業規模によらず、
即決、迷っていない印象。
2 極 化
✔ アナタコで十分
✔ ドラレコは乗務員が嫌がる
✔ アルコール検知器は記録が残ると不都合だ
✔ 毎日血圧測るなんて、乗務員が嫌がる
✔ 記録管理で忙しい。
✔ デジ、ドラ完備
✔ 遠隔点呼、ロボ点呼フル活用
✔ 指導監督のデジタル化
✔ 残業時間のリアルタイム化(2024問題)
独自レイティング
IT
機器システム要件
施設環境要件
運用上の遵守事項
優良性(Gマーク等)
相手営業所調整
機器費用
ハードル数
IT点呼(貨物のみ)
3P
0P
2P
必要3P
必要3P
2P
13P
遠隔点呼
12P
4P
9P
不要0P
必要3P
4P
32P
乗務後自動点呼
15P
1P
11P
不要0P
不要0P
4P
31P
どっちが? ではなくどっちも活用できる
企業規模
本社営業所のみの企業
複数営業所を持つ企業
100%子会社を持つ企業
遠隔点呼
×
〇
〇
ロボ点呼
〇
〇
〇
ハードルが高い(一般論)にだまされない。
自動点呼ロボがあぶりだす、事業者の不都合な真実
点呼実施97%のA社
点呼実施60%のB社
点呼実施97%のA社
・人件費を半減にできそう!
・ロボット購入の元も取れそう!
・バイタルもデータ管理に!
・デジタル化、一気にスピードアップ!
→ いいことだらけ
・確かに今より点呼実施はあがる
・が、ロボットは追加経費・・。
・緊急時体制も追加経費・・。
現在の点呼実態によって、期待と効果の意味が違う。
「ぶっちゃけ点呼できていない時間帯がある」問題
事業用自動車総合安全プラン2025(輸送安全の中期計画)
✔ 感染症予防の観点において、対面で行われている業務の非対面化を進めることは喫緊の課題となっている。
✔ 自動車運送事業者の運行管理に活用可能なICTは急速に進展しており、非対面での運行管理を実現する他、
運行管理の質の向上による安全性の向上、労働生産性の向上等を実現できる可能性があり、 開発・普及促進
を図るべきである。
✔ 高度な点呼機器の活用によるIT点呼(遠隔点呼)の対象拡大を検討
✔ 非接触型事業運用及び業務効率化に向け、IoT等を活用した、より先進的な輸送効率化や運行管理の取組に
ついて調査・実証を実施
✔ 自動点呼の実現に向けた点呼支援機器に係る認定制度の策定を検討
✔ 先進技術の活用による点呼以外の運行管理業務の一元化を検討
プラン2025 P26 ICTを活用した高度な運行管理の実現
○デジタル式運行記録計の普及促進のための補助事業の実施
○高度な点呼機器の活用によるIT点呼(遠隔点呼)の対象拡大を検討
○自動点呼の実現に向けた点呼支援機器に係る認定制度の策定を検討
○先進技術の活用による点呼以外の運行管理業務の一元化を検討
毎年実施
半分完了
半分完了
運行管理業務の一元化を検討
『先進技術の活用による点呼以外の運行管理業務の一元化を検討』
『運行管理者業務のすべてを他営業所で行うことができるよう、営業所や運行管理者が満たすべき条件を検討』
運行管理業務は、センター化へ?
『運行管理者業務のすべてを他営業所で行う』
運行管理者不足に対応するため?それとも・・・
なぜ、一元化 解禁へ?
地域公共交通計画と乗合バス等の補助制度の連動化
運送業界事業承継・運送業M&A活況
守りの統廃合? 攻めの統廃合?
運行管理高度化検討会
遠隔点呼の拡大
運行管理指示書の一元化
自動点呼
(自動点呼ロボ)
運行指示書以外の
運行管理業務の
一元化
点呼制度 緩和の歴史
1990年代 2000年代 2010年代 2020年代 2030年代
クラウド勤怠
クラウドカメラ
クラウドドラレコ
1990年代 2000年代 2010年代 2020年代 2030年代
クラウドデジタコ
クラウド点呼
Before IT点呼時代 2000年代前半 点呼イメージ
乗務前
補助者点呼8人 乗務前 20人 乗務後 4人 乗務後 21人 乗務後 3人
After ロボ点呼 朝はIT点呼+日中はG企業同士点呼+夜は自動点呼ロボ
B営業所 IT点呼 C社とグループ企業 遠隔点呼
とある会社、
とある日、
とある点呼
ロボ・ロボ・ロボ
ヒト・ロボ・ロボ
ヒト・ロボ・遠隔ヒト
遠隔ヒト・遠隔ヒト
遠隔ヒト
「運行管理者」の社会的位置づけ
✔ 法令に、誠実であること
✔ 法令の定める27の業務(使命)を果たす
✔ 事業者から与えられた権限を、行使する
✔ 事業者へ、助言を行う
✔ 運転者、従業員へ、指導する
貨物自動車運送事業法関係
道路運送車両法関係
道路交通法関係
労働基準法関係
その他運行管理者の事業に関し、
必要な実務上の知識及び能力
精通!
プロ!
「輸送安全をつくるスペシャリスト」
「運行管理者は、道路運送法及び貨物自動車運送事業法に基づき、事業用自動車の運転者の乗務割の作成、休憩・睡眠施設の保守管理、運転者の指導監督、点呼による運転者の疲労・健康状態等の把握や安全運行の指示等、事業用自動車の運行の安全を確保するための業務を行います」
と、国土交通省は言っています。
運行管理者のオシゴト
点呼は、数ある業務のひとつに過ぎない
対面=良質な点呼とは限らない?
遠隔点呼、自動点呼はまだ、序の口
【いまNGだが、2023~緩和候補】
・始業時完全自動点呼(セルフ点呼自動点呼ロボ)
・遠隔点呼に、電話点呼(遠隔地)を加える
・16時間しばりの廃止(IT点呼)
・運管点呼1/3の廃止(IT点呼)
・どこでも(自宅とか、本社)IT点呼
・本社管理部(営業所ではない)への点呼委託
・共同組合、業界団体への点呼委託
・民間企業への点呼委託
セルフ点呼で浮いた時間は何に使われるべきか?
例えば
○運行管理者は、改善基準告示に合致した正しい
乗務割りをつくれるか?
○これはロボットにできることか? できないことか?
例えば
○運行管理者は、指導監督告示の遵守させていたか?
○適性診断の結果はどうであったのか?
○ロボットができることか?
運行管理者の仕事は?
残る、運行管理者の業務
✔ 経営者への助言
✔ 運行管理業務の統括
✔ 補助者への指導監督
✔ 異常気象時の安全確保
✔ 休憩・睡眠施設の管理
10年後あなたの会社は?
◆10年後 「社内の人口動態」は・・
✔ 70代経営者は、80代?
✔ 事業承継済み40才経営者は、50才
✔ 経営幹部45才は、55才
✔ ベテラン大型ドライバー 60才→70才
✔ スマホネイティブ若手社員 25才→35才
◆10年後も・・
✔ デジタコなし、IT点呼なし?
✔ やっぱり、紙が好き?
✔ オンライン申請せず運輸支局に行く=価値ある仕事か?
✔ 事故が多くて、教育の時間なんてとれない?
プロ運行管理者は、AIロボ管理者に勝てるか?
✔ 高度な乗務割?
✔ 高度な乗務記録分析?
✔ 高度な点呼スキル?
✔ 高度なコミュニケーションスキル(ドライバーとの)
✔ 高度なコミュニケーションスキル(ドライバー以外)
✔ 点呼ロボに負けない「運行可否」
✔ AIにまけない、「運行可否」
運行管理者3.0?
✔ 交通法務の専門、技能職である。
✔ ITを駆使して、業務を俯瞰する。
✔ 労働安全衛生のプロ
✔ 経営者に助言する「データアナリスト」
✔ 安全教育のプロ
✔ 人に接するプロ
国土交通省では、認定した乗務後自動点呼機器を公表しています。
乗務後自動点呼を実施したい方は、以下認定機器一覧から選択しなければなりません。
認定を受けた自動点呼機器一覧 https://www.mlit.go.jp/jidosha/content/001842044.pdf
運行管理高度化ワーキンググループ https://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha_tk2_000082.html
乗務「前」自動点呼はどうなる?
業務前の自動点呼については、令和5年度において実証実験を実施し制度化に向けて 要件の検討を行っているところですが、乗務の可否の判断については様々なケースが 想定されることから、より多くの事業者による実証を進めるため、業務前自動点呼に係る先行実施事業を行います。
本事業に参加される事業者は、産官学の有識者からなる 運行管理高度化ワーキンググループ(以下「ワーキング」。)の監督の下で業務前自動 点呼を実施し、実施状況を定期的にワーキングに報告することとなります。
これを踏まえ、業務前自動点呼の具体の制度が策定されることとなります。本事業に参加される事業者は、本先行実施要領に規定する要件を満たしたうえで、実施の申請を別紙様式にて行い、受理されることで実施可能となります。なお、本事業は、実施期間を令和7年3月31日までとします。
(7)業務前自動点呼の実施・変更に係る書類の提出期限
業務前自動点呼を行おうとする事業者は、(8)に記載する書類を業務前自動点呼を開始しようとする14日前までに国土交通省委託事業事務局に提出すること。 申請書類は運行形態ごとに提出することとし、最終の受付は令和6年12月末までとする。
「自動車運送事業における運行管理の高度化に向けた業務前自動点呼の先行実施要領」より抜粋
赤文字は当社が強調
自動点呼ホワイトペーパー資料のダウンロードは下記よりお願い致します。
ドライバーの点呼時アルコールチェックだけではなく、全従業員のアルコールチェックをすべての事務所から確認が可能となります。
血圧計やストレスチェック機器と連動し測定データをクラウドへ。ドライバーの日々の健康管理や点呼時の疲労チェックに役立ちます。
配車や車両・ドライバーの位置情報といった様々なデータをクラウド上で一元管理。業務効率化と経費削減に大きく貢献します。
お客様から多く寄せられるご質問を掲載しております。
社会の安全、安心、健康を創造する。その理念のもと、アルコール検知器、アルコールインターロック、IT点呼システム等、企業の安全管理に貢献できる製品開発を行っています。また、飲酒運転防止をはじめとして、安全に関するセミナー等を随時行っています。
お客様の輸送の安全に貢献するため、PC型アルコール検知器、IC運転免許証リーダー、IT点呼機器等、お客様の輸困ったときに対応方法をすぐに見つけることができるFAQサイトを運営しています。製品取り扱い説明書の最新アーカイブや、運行管理や点呼管理のお役立ていただけるコラム等もございます。
お客様の輸送の安全に貢献するため、アルコール検知器関連の消耗品、衛生品、教育グッズを取りそろえております。いつでも同じものを、同じところから購入。運行管理者や購買担当者様の引き継ぎの発注の手間を軽減できます。ECサイト限定グッズもございます。