アルコール検知器の消毒受託件数と新型コロナウィルス感染者数の関係性レポート 2022年3月版
アルコール検知システム、IT点呼システム、運⾏管理システムを開発・販売する東海電⼦株式会社(本社:静岡県富⼠市 代表取締役 杉本 哲也)は、この度、新型コロナウィルスの感染者発⽣事業所に対するアルコール検知器引取消毒サービスの最新実績をとりまとめました。
1.感染発生時の引取消毒サービスについて
当社は 2020年4月から、アルコール検知器をお使いの運輸事業者様に対し、新型コロナウィルスの感染発生時について重要なお願い(注意喚起および消毒サービス提供)をさせていただいております。
2020年5月1日 当社ウェブサイト掲載
“検知器使用者が新型コロナウィルス感染者だと判明したら”
https://www.tokai-denshi.co.jp/app/usr/topics/file/528_20200501194535_topic_file.pdf
本サービスは、契約ユーザに限り、感染発生時にすみやかに使用していたアルコール検知器引取り、消毒を行って返却するサービスです。これは、感染者が使用したアルコール検知器の物理的な処置に困っている事業者様に対し、二次的な接触感染の可能性を排除する意図、及び、アルコール検知器が二次感染やクラスターの原因になっていないかをメーカー責任としてモニタリングする意図、両方を兼ねています。現在、このようなレポートを発信しているアルコール検知器メーカーは、当社のみです。
2.2年間の消毒件数と、新型コロナウィルス感染者数の相関について
本サービスの認知度が上がるにつれ、かつ、実際の新型コロナウィルスの感染状況の変化につれ、感染後の消毒依頼サービスの件数が変わってきます。8⽉の「第5波」ピーク以後、オミクロン株発⽣前に減り、結果的に、「オミクロン株による第6波」が⾒事に顕れたという結果です。
感染者数の推移(⽉間)と消毒(⽉間)を重ねてみると、ほぼ第X波と⼀致しています。
*1 新型コロナウィルスの感染者数データはNHK のサイトを利⽤して作成しています。
https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/data-all/
当社の検知器ユーザは、トラック業が最も多いことから必然的にトラックが最も多くなっています。また、⽩ナンバーアルコール検知器義務化施⾏を控え、運輸業以外の⼀般事業主での件数が増えました。
多⼈数共⽤型のアルコール検知器は、コロナウィルス感染拡⼤の原因になるのではないかとの疑念が今で
もありますが、結果的には、携⾏型(モバイル型)のアルコール検知器でも発⽣しています。
この事実は、ひとり⼀台・携⾏型アルコール検知器を使⽤する運⽤であったとしても、検知器以外の感染ルートが当然あり得る(個⼈の⾏動次第)ということを意味する⼀⽅で、携⾏型アルコール検知器を使⽤することで多⼈数共⽤型を使⽤する機会を減らし、⼆次感染の可能性を低くできたのではないかというプラスの仮説⽴ても可能です。いずれにせよ、個⼈持ち・携⾏型にしてから安⼼、という油断・過信は禁物です。
依然として、携帯型・携⾏型・個⼈使⽤よりも、多⼈数供⽤型のほうが、やはり、理論上感染拡⼤リスクが⾼いという状況は変わらないと考えています。
3.⿃取県のアルコール検知器使⽤事業所でのクラスター事案
3 ⽉中旬、⿃取県のとある事業所で、アルコール検知器を使⽤している場所で、かつ、換気が悪いと思われる環境で数⼈の感染者が出たとの報道がありました。
https://transport-safety.jp/archives/11489
このようなことは⼗分ありえます。
実際、今年に⼊り、消毒依頼時にいただいているアンケートのうち、1件、このような、アルコール検知器の設置や供⽤環境、かつ、換気の状況が原因で⼆次感染が出た「かもしれない」(保健所ではなく、事業者の主観)という報告がありました。
4.アルコール検知器と新型コロナウイルス関連特設サイト
これまで国⼟交通省や、トラック、バス、ハイタク等の運輸系業界団体、アルコール検知器が、運輸事業所におけるクラスター発⽣の有無、クラスター発⽣時における呼気アルコール検知器の媒介の事実や可能性や事実について、調査を⾏った・公表した等の情報はありませんでした。そのなかで、前述3の⿃取県の公式報道がはじめてのケースかと思われます。
さて、当社では、この度3⽉にアルコール検知器と新型コロナウイルスに関する特設サイトを開設致しました。⾏政による各種ガイドラインや当社の機器の情報については、はこちらにてご確認ください。
<特設サイトURL>
https://lpfo.tokai-denshi.co.jp/breathalcoholcovid19
5. 282件に対する総評と、アルコール検知器とコロナ感染に関する当社の⾒解
⽇々アルコール検知器のサポートをする中で、お客様の現場では、毎⽇、⼗分に除菌・消毒をしている様⼦が窺える⼀⽅で、だんだんと「感染は仕⽅ない」という慣れからか、消毒や換気が不⼗分と思われるアンケート結果も⾒かけるようになりました。そういった時間の流れの中での、結果、約2年で282件、となりました。
さて、これまでは、明らかにアルコール検知器由来であるとアンケートで回答されたケースは⼀件もなかったのですが、今回は1件報告がありました。
1 ⽉から3⽉にかけて、唯⼀⼀件、アルコール検知器使⽤場所、アルコール検知器由来(接触感染なのか、エアロゾル感染的なのか、科学的検証は出来ないにせよ)を否定できないとの⾒解をもつ事業所がいらっしゃいました。
当社としても実際の状況をヒアリングさせていただきましたが、判別しがたい事案でもありました。
⿃取県と似た印象を持ちましたが、はっきりと検知器は関係ないと⾔い切れるだけの情報がなかったため、結果的に今回はじめて可能性は否定できないケースとして、1件、とさせていただきました。
なお、今回の1件、というご報告の根拠は、事業者様の主観と、当社の主観のみ、であります。保健
所や科学者による、疫学的・科学的調査ではございません。
3⽉に⼊り、ピークが過ぎたかと思いきや、あらたな変異株の情報もあり、まったくもって予断を許さない状況が続いております。デルタ株でもなくオミクロン株でもなく、このあらたなタイプがまったく違う特性があり、とくに、エアロゾル状態での残存期間が違う場合、3ヶ⽉後のこのレポートはまた違った結果が出るかもしれません。
引き続き、アルコール検知器使⽤企業様におかれましては、アルコール検知器の除菌・消毒を徹底することと、点呼の際は2メートル、もしくはそれ以上離れること、ハンディタイプを個⼈持ちさせること、換気を徹底すること、IT点呼の使⽤率を上げる事等を含め、「3年⽬」という⻑期戦を⾒据えた対策が必要です。
2年たって、未知のウイルスは、既知のウイルスにはなっていません。いちども平常化はしませんでした。そしていまもあらためて未知のウイルスが到来しており、従来とは違う感染状況が⽣まれつつあるのかもしれません。このような認識のもと、当社としては運輸・交通業界の「呼気アルコールチェックを実施している現場」の定点観測を今後もしっかりと⾏っていく所存です。
これは⼀種の社会科学研究であると考えています。情報提供等、みなさまのご協⼒をよろしくお願い申し上げます。
本件に関する問い合わせ先:東海電子株式会社 営業企画部
東京都立川市曙町 2-34-13 オリンピック第3ビル 203
E-mail: info@tokai-denshi.co.jp
東海電子コーポレートサイト:http://www.tokai denshi.co.jp
東海電子公式ECサイト:https://shop.tokai denshi.co.jp/