酒気を帯びて電車を運転してはならない
運転士のアルコールチェック
電車・列車の運転士もアルコール検知器の使用が義務づけられています。
この記事では、鉄道業界におけるアルコール検知器の義務化について内容を紹介いたします。
免許取り消し、0.09mg/L
約1年前、2019年10月 国土交通省 鉄道局は、公共交通全体で飲酒に関する規制強化の動きを受けて、アルコール検知器の使用義務と、酒気帯びの基準値を明確化する規則改正を行いました。
国土交通省報道資料:鉄軌道運転士の飲酒に関する基準等を改正します
https://www.mlit.go.jp/report/press/tetsudo01_hh_000157.html
https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001310893.pdf
<主な改正の概要>
(1) 事業者に対し、運転士への酒気帯びの確認について以下の事項等を規定
・ 仕業前後に酒気帯びの有無を確認
・ 酒気帯びの有無の確認はアルコール検知器(ストロー式、マウスピース式)の使用に加え、目視等により行う
(仕業前の確認以降、事業者の管理の下にある場合は、仕業後のアルコール検知器を用いた検査を省略可)
・ 仕業前に酒気を帯びた状態が確認された場合には当該係員の乗務禁止
・ 次に掲げる事項の記録・保存
確認を行った者及び確認を受けた者の氏名、確認の日時・方法、酒気帯びの有無
(2) 運転士に対し、酒気を帯びた状態で列車等を操縦した場合の行政処分(運転免許の取消)適用上の目安を設定
・身体に血液0.2g/ℓ以上又は呼気0.09mg/ℓ以上のアルコール濃度を保有している場合
・上記にかかわらず、飲酒の影響により、反応速度の遅延など列車等の正常な操縦ができないおそれがある場合
鉄道事業者は、従来から飲酒に関しては厳しいルールや社内の安全体制を整えており、アルコール検知器の導入も2012年頃から随時進んできていました。
ところが、2019年の航空局における飲酒基準の明確化をうけ、同じく公共交通、運輸安全業界として、規制を明確化する必要があると考え、結果2019年10月、パブリックコメントをへて、鉄道事業者におけるあらたな飲酒規制が始まった、という流れです。
本改正については、鉄道局による年間安全レポート
「鉄軌道輸送の安全に関わる情報(令和元年度)」
https://www.mlit.go.jp/tetudo/content/001367471.pdf
にも経緯が報告されています。
(エ)鉄軌道運転士の飲酒に関する基準等の改正
公共交通全体で飲酒に関する規制の強化が強く求められている中、国土交通
省では、鉄軌道事業者の飲酒に関する基準のあり方について検討を重ねてまい
りましたが、その検討結果を踏まえ、鉄軌道事業者の運転士に対する飲酒に係る管理の徹底に万全を期すため、仕業前後における酒気帯びの有無の確認、アルコール検知器の使用、酒気帯びの有無の確認結果等の記録・保存、運転士が酒気を帯びた状態で列車等を操縦した場合の行政処分(運転免許の取消)にあたっての適用上の目安(数値等)の設定等について、令和元年 10 月4日付けで鉄道に関する技術上の基準を定める省令等の解釈基準や動力車操縦者運転免許の取消等の基準等を改正しました。