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点呼・アルコール検知器は、新常態へ~国土交通省の事業用自動車総合安全プラン2025が始まります~

 

今度こそ、『飲酒運転ゼロ』を。


3月30日、国土交通省自動車局から、バス、タクシー、トラック等、事業用自動車に関する安全政策の中期計画が公表されました。今後5年間、安全や事故防止に関するすべての政策は、これに基づいて予算化、規制緩和、規制強化が行われます。

ようやく思い切った、というべきなのか、遅かった、というべきなのか、点呼で使われるアルコール検知器の要件変更に踏み切るようです。

詳細の要件決定はこれからですが、アルコール検知器の定義変更にともない、すでに普及が進んでいるIT点呼についても、IT点呼はもはや当たり前とされ、言ってみれば、「点呼・アルコールチェックの新常態」が、2021年4月1日、新年度からはじまる言っても過言ではありません。


 


 

飲酒運転下げ止まりという喫緊の課題について、

 

① 飲酒運転事故件数の近年の下げ止まりへの対応
飲酒運転はその行為自体が反社会的であり、事業用自動車の運転以前の問題として、厳に行ってはならないものである。しかしながら、事業用自動車の飲酒運転による交通事故の発生件数は、平成20年の99件から平成24年の46件までは年々減少傾向にあったが、それ以降は横ばい状態が続いており、令和元年時点においては56件発生しており、その内訳は、トラックが48件、タクシーが8件となっている。バスについては、平成24年以降、0件を継続している。飲酒運転は悪質かつ危険な違反行為であり、重大な事故につながる可能性が高く、このような行為が発覚した際には、運転者個人の責任にとどまらず、会社及び業界全体の信用失墜につながることを事業者は肝に銘ずるべきである。事業者は、運転者がこのような行為に及ばないように継続的かつ反復的に指導監督を行うとともに、行政は、未然に防止するためのルール作りや違反に対する厳格な処分を行う必要がある。
飲酒運転対策については、これまでも、点呼時におけるアルコール検知器使用の義務付け等の施策により、一定の効果が確認されているが、それ以降も、点呼前に飲酒していたにも関わらず点呼時に適切なアルコールチェックが行われなかった事例や、点呼後の乗務中に飲酒に及ぶ事例が確認されており、確実に飲酒運転を防止する対策を実施する必要がある。

加えて、飲酒運転の背景には、アルコール依存症等との関連も想定されることから、事業者は、運転者に対して、運転者自身の飲酒傾向の自覚を促すような指導監督を行う必要がある。

 

 という認識のもと、「今度こその飲酒運転ゼロ」のため

・ 点呼の正しいタイミングの周知や、アルコール検知器の要件追加による、点呼時のアルコールチェックの強化
・運転者に対する、自身の飲酒傾向の自覚を促す指導監督の推進
・初任運転者に対する、飲酒傾向の確認や重点的なアルコールチェックによる、飲酒運転の習慣化の防止
・事業者の優良取組事例やアルコール依存症に係る周知


と示されています。

デジタル運行管理、ICT・IT点呼の一般化

もちろん、この「プラン2025」が目指しているのは、飲酒運転ゼロ、だけではありません。健康起因事故、過労運転、漫然運転事故等、「いのち」を救うために、運行管理の高度化、ロボット点呼等、テクノロジーを駆使した施策が存分に盛り込まれています。

コロナインパクト×残業規制2024×デジタル技術の一般化、という時代背景を前提に、「ITやデジタルに詳しくない」と言っている時代は終わったのだ、その象徴が、「ロボット点呼」「どこでも運行管理」だ、と。プラン2025は、大企業、中企業、小企業にかかわらず、バス、タクシー、トラック事業者すべてに、そういうメッセージを発した、と弊誌はとらえました。


みなさんは、以下の安全政策から何を読み取りますか?



  


 

https://transport-safety.jp/archives/4446


https://transport-safety.jp/archives/3883