日本版ライドシェアのニュースがながれた日、たまたまタクシーを使おうとしたら。
とある地方都市、夜8時30頃。
翌朝早いので新幹線で前日移動しようと、いつもお願いしているタクシー会社さんに電話をかけたところ、珍しく断られました。夜8時半頃なので一次会がおわり混んでいるのかな、と思いきや、「今日、誰も出勤していないんですよ」とのこと。
仕方なく、「GO」アプリをたちあげたところ、駅から遠い田舎街で、GOを搭載したタクシー車両は一台もなく、仕方なく自家用車で移動。
とある地方都市、東海道本線ローカル駅に22:50着。
この時間・この駅で 待機タクシーなんていないですよねぇ・・。
さて、バスはあるかな・・・
さすがに22時台はないですよねぇ・・・
タクシースタンドから、タクシー会社に電話
出てくれますように・・・。
「7,8分お待ち頂けますか」 (もちろん! 良かったぁ。寒い夜に40分歩くところでした)
いちおう、GOアプリで確認してみると・・。
あ、このクルマが来るのかな?
典型的な郊外の駅前をみて、思うこと。
駅のロータリーはきれいに整備されています。
通勤・通学用の、自転車・バイク置き場。
・・・朝は満杯なのでしょうね。
そして
朝は、早々に満車になるのでしょうね・・・
日本は、乗用車が6000万台ありながら、公共交通機関(企業)が多い国。
もともと、マイカーと公共交通機関の戦いは厳しかったと思います。
乗用車はここ5年増え続けています。
地方では、クルマで行くと便利なところだらけです。駅前も駐車場が増え、駅での旅行移動者にとっても便利になりましたよね。
一方で、「家の駐車場に日中置きっぱなしの自家用車」、マイカー通勤でも帰宅後「夜は置いてある自家用車」は、おそらく1000万台以上はあると思われます。
自家用車は、相当ある、と。おそらく。
さて、足りないのは、運転者ですよね。具体的に言えば、
「日中でも夜でも、スキマの時間で、自分の資産(自家用車)を有効活用したい 普通免許保有者」
ということですかね。
日本の免許保有者は、8000万人。
冷静にみると、スゴイですよね。
返納がこれから増えるとは言え、さすが6000万台乗用車のある国。
ところで「ライドシェア」といえば、なんとなくテック系でカッコイイ感じがするかもしれません。
でも、この言葉がなじむ前に、いまいちど、日本の上記のような「クルマ社会」の様相や、「CtoC」社会の到来という観点で いろいろな言い方をしてみたほうがいいかもしれません。
乗り合いと相乗り を混同している消費者や関係者も多い中、さらに「ライドシェア」は、誤解をあたえそうな言葉ですよね。
もともとは、シェアリングエコノミー、CtoCの概念からきているはずなので、
「稼働率の低い自家用車を社会が活用できる」
「所有している自家用車で、収入を得て助かるひとがいる」
「移動版メルカリ(私の時間とクルマを提供する:あなたのクルマと時間を提供してほしい)」
このような考え方もベースとしてはあって、たまたま移動産業でもこのビジネススタイル・ライフスタイルが出てきていると捉えています。一消費者として、ですが。
ドライバーさんに、聞いてみた。
7分ほど待ち、駅にタクシーがやってきました。暖かいタクシーに乗り込み、ホッとします。
タクシー運転手さんに、振ってみました。
「ライドシェア 始まるの決まったそうですよ」
「え、そうなんですか?」
「地理試験も廃止になるみたいです。ぶっちゃけ、ライドシェア、どう思われますか?」
「う~ん。最近 新幹線駅付近以外は 配車できるクルマが少なくなってきて・・」
「自家用車ドライバーが増えると、稼ぎ、減りますか?」
「まあ、正直そういうこともあるかもしれないですが、でも、お客さん断るの申し訳なくて」
「会社の乗務員募集、うまくいってますか?」
「いやあ・・。とれたとしても、とにかくお金と教育の時間がかかるんですよ」
「会社はもう一般人ドライバーの募集をはじめているかもしれませんよ。来ますかね?」
「どうだろう・・。でも、まあゴチャゴチャ言わずに、まずは やってみてから! 問題はあとからいろいろ考えればいいんじゃないかなあ!」
このような前向きな乗務員さんばかりじゃないかもしれませんが、地域社会の変わり方を日々感じ取っている方々の 生活感・労働観 も 重要な情報かもしれません・・・。