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運行管理者試験は、将来 オンライン受験になるだろうか?

 

11月20日から、3月に実施する運行管理者試験の申請受付が始まります。

https://www.unkan.or.jp/#section_outline

コロナ禍のなか、当然オンライン受験になったのだな! と思いきや・・。


運行管理者試験に関するパブリックコメント

先般、こんなパブリックコメントが公募されておりました。
https://search.e-gov.go.jp/servlet/PcmFileDownload?seqNo=0000206464
コロナ禍において、運行管理者の筆記試験の会場を分散させなければならない状況となり・・・規則改正の必要性が出て参りました、ということのよう。

現行の筆記の方法に加え、コンピュー
タを利用して実施する方法を規定する。


筆記試験以外の方法(CBT:Computer Based Testing)を実施するとのこと。

このことに関して、16件のコメントがありました。

https://search.e-gov.go.jp/servlet/PcmFileDownload?seqNo=0000208441

将来的な実施方針については、4件。

〇今後はネット受験も可能となるよう検討いただきたい。(1件)
○将来的には、CBT 方式で統一して試験を実施してもいいのではないか。(1件)
〇すべての受験者がコンピューターを日常的に用いているとは限らず、リテラシーが伴わない受験者もいるため、当面はすべての受験者に CBT 方式を課すことは反対。(1件)
〇将来的にはネット申請で一括してはどうか。(1件)

国土交通省のスタンスとしては、受講事業者や関係者から賛否両論はあれど、今後の可能性については否定はしていないようです。

「令和2年度第2回運行管理者試験においては、従来の筆記方式を残しつつ、CBT 方式を導入することを予定しています。今後の運行管理者試験の実施方法については、実施結果を検証の上、検討していくこととしております」


筆記ではなく、CBT方式とは


・・・ということで、パブリックコメントと規則改正をうけ、次回の運行管理者試験は初めてCBT方式で実施されます。

CBTとはどういうものなのか体験できるようです。
https://www.jjstc.com/trial_ibt/
 

運行管理のデジタル化と運行管理者情報のデジタル化


昨今、運行管理の高度化・デジタル化が進んでいます。

先般の事故防止支援推進事業(補助金事業)の中身をみれば、明らかです。
IT点呼、ドライブレコーダー、デジタルタコグラフ等・・PCやスマートフォンを使うものばかりです。

これらはほとんど、「運行管理者の業務」(旅客運輸規則第48条貨物輸送安全規則第20条で使われるものです。

いまや、事業者は、「うちはITリテラシーが低い」とか「うちの運行管理者はPCやスマホが苦手」と言ってる場合ではなくなっていると思われます。

今後国土交通省は、手続きをデジタル化・IT化、事業者の生産性を促してゆくことでしょう。

オンライン受験におけるカンニングやなりすまし防止の技術も導入され、将来、運行管理者の試験も、申請も、実施も、合格採点も、効率化される可能性は高いのではないでしょうか?

さらに、現在、紙の「運行管理者資格者証」をデジタルデータ化する、ICカード化し、さらに「運行管理者届出書」をネット申請し、選任運行管理者のデータベースを行政が保存しておけば・・・

これらが、電子化・デジタルデータ化されると・・・

こんな利活用や、行政コンテンツが可能となるのではないでしょうか?


  ・全国の選任運行管理者の総数
  ・全国の選任運行管理者の平均年齢や選任キャリア分析
  ・登録車両数データベースと、運行管理者の数の整合

また、事業者にとっても
  ・選任された履歴
  ・運行管理者向け一般講習の受講履歴(2年に1回)
  ・運行管理者向け特別講習(事故惹起社運行管理者)
  ・選任時の、事故や違反の実績

仮に「運行管理者資格証ICカード」に書き込まれていれば
受講漏れチェックや、中途採用時の経歴判断や虚偽チェックにも使えるのではないでしょうか。

運行管理者資格者証とは 言ってみれば、「運行管理免許証」です。

ドライバーは入社の際、「無事故無違反証明書」「運転記録証明書」や「運転経歴書」の提出が求められることが多いです。

では、運行管理者の中途採用・転職のとき、運行管理者の経歴を事業者はどう評価すべきか? 本人は、どうアピールできるでしょうか?

運行管理のデジタル化とは、「運行管理者情報のデジタル化」という概念もあって良いのではないでしょうか。

実際、運行管理者試験に関連する業界団体(一般社団法人)で、一部すでに「運行管理者のICカード」発行を始めているところがあるようですので、今後のこの流れも進むのではないでしょうか。


最後に、運行管理者と言えば必ず思い出すのは、2016年の軽井沢スキーツアーバス事故です。

事故後の監査で33件の違反。
https://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/jikochousa/pdf/1641103.pdf
この件数と中身。なぜこうなったのか。運行管理資格者とは、2年に一回の一般講習で、これほどまでに目の前の違反実態を体現できるものなのでしょうか。

・運行管理者の届出違反(虚偽)(道路運送法第 23 条第3項)

という違反も事後に判明しています。

無目的にデジタル化しても意味はないと思います。
しかし、「運行管理者プロフィールのデジタル化」で、行政側のコスト、事業者コスト、運行管理者の適性管理、面接担当者の採用での目利き等、利便向上がはかれると思います。。

一般消費者からみてもわかりやすく、意義あるデジタル化の事例になることを期待したいところです。