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Fact sheet of.... 家族の苦しみ ~ 通報か?アルコールインターロックか? 個人装着サイト開始から1年、飲酒問題のリアルを考える。

千葉県八街市の、あの悲痛な飲酒運転事故。
繰り返されないために着目すべきは、加害者の家庭環境や、生活環境、職場の人間関係だったとおもいます。

 公判ではこのような事実がでていたようです。

 そう、常習的な飲酒運転とは、周囲のひとが気づいているケースが多いのです。

八街市の事故のあと、アルコールインターロック(飲酒をしているとエンジンがかからない装置)の問い合わせが増えました。

バス会社? トラック会社? いいえ違います。

個人です。

「うちの家族が飲酒運転しているんです」と。
「父があのような事故を起こすのが怖いんです」と。

当社は昨年、このような個人からの問い合わせに対応すべく個人向けの専用サイトをオープンしました。

https://transport-safety.jp/archives/13486

あれから約1年、このサイトにたどり着いたひとは、何人いたと思われますか?


アルコールインターロック 個人問い合わせ、25件。

だんだん増えてきており、多いときで 週一ペース。

飲酒運転をしているのは、家族のうち誰なのか? 誰が連絡してくるのか?

本人から連絡することはほぼありません。
家族が心の底から心配しているのです。

 もっとも多いパターンは、高齢の親が飲酒運転をしている、というもの。
 詳しい内容は言えませんが、飲酒問題を抱えているご家族はほんとうに深刻な状況にあります。
 自分の家族が目の前で 犯罪をしているのをみるのはつらいと思います。
 

 医者にいかせればいいじゃないか、警察に通報すればいいじゃないか、とひとは思うかもしれません。でも、そんな簡単な問題じゃないんです。飲酒の問題は。

装着成功は、4件。

 当社は、まさに飲酒運転防止のためにアルコールインターロックを製造販売しています。
 そのような当社がもし このような問い合わせに、「個人には対応できません」とか「家族の問題に立ち入ることはできません」と答えた場合、われわれは、「間接的な飲酒運転の幇助である」、と、最近そんな思いすら湧いてきます。

 残念ながら、装着に至るケースは半分にも満たないです。
 本人が、拒否するのです。家族の思いは通じないケースがほとんどなのです。


 このような案件は、事故防止の文脈ではなく、家族の問題、という文脈でとらえる必要があります。
 「今日目の前で飲酒運転をするかもしれない案件」は、緊急性が高いです。
 
 何かが起きてからでは遅い。そして、日々、何かは起きている。

 これが飲酒運転(アルコール問題)のリアル。

 どうやったらもっと多くこのような家族と出会い、機器を提供できるだろうか? 
 どうやったら根本解決(通院、入院、飲酒習慣の是正)対応できるだろうか?