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酒気を帯びて飛行機を操縦してはならない

航空業界のアルコールチェック


 何かが起きたとき、自動車は路上で一時停止はできます。しかし、航空機が太平洋上空を飛んでいるときに一時停止はできません。航空業界の「安全」は、以下、それぞれのカテゴリごとに、安全に関する規則類が定められています。


2019年1月~7月にかけて、航空業界の「飲酒・アルコールチェック」について、大幅な法改正、規則改定がありました。

酒気を帯びて、操縦してはならない

■2019年1月 
操縦士の飲酒基準について~航空分野の飲酒基準を厳しくします~https://www.mlit.go.jp/report/press/kouku10_hh_000148.html



酒気を帯びて、管制業務を行ってはならない

■2019年3月
管制業務等に従事する職員に対する飲酒対策について
https://www.mlit.go.jp/report/press/kouku13_hh_000100.html


酒気を帯びて、機内サービスをおこなってはならない。

■2019年7月
客室乗務員等の飲酒基準の制定

~航空分野でのアルコールによる事故・ヒューマンエラー防ぎます!~
https://www.mlit.go.jp/report/press/kouku10_hh_000166.html

 客室乗務員は、保安要員でもありますので、危機の際に酒気を帯びていいわけがありません。当該改正により、いわゆるキャビンアテンダントを含む、全クルー(乗組員)がアルコールチェックの対象となりました。

2019年の航空業界におけるこの規制強化の特徴は、空にいる「操縦士・客室乗務員」だけではなく、地上職員にもアルコールチェックを義務づけた点にあります。

アルコールチェック対象者
立ち会いする第三者
航空機乗組員
客室乗務員
航空機乗組員及び客室乗務員以外の者
運航管理者、運航管理担当
又は運航管理補助者
運航管理業務に従事する者以外の者
       整備従事者     
整備従事者以外の者

 

酒気を帯びて、飛行機を整備してはならない

 

酒気を帯びて、運航管理を行ってはならない


 よくご覧ください。
 自動車業界でいえば、「運行管理者」も「運行管理補助者」も「自動車整備士」も、アルコールチェックが義務化されたようなものです。

 いったん事故が起きると甚大な被害が及ぶ運送事業者において、日々重要な判断をしている安全管理従事者が酒気を帯びていてはならないのは、当然と言えましょう。それにしても、「運転・操作」者以外の従業員全員への飲酒チェックを義務づけた例は、世界でも類をみない(ランダムテストはありますが)規制であります。
 
 運輸安全業界において、本気で飲酒インシデントゼロを目指すならば、ドライバーだけではなく、「運行管理者」「運行管理補助者」「整備管理者」「整備管理補助者」「自動車整備士」「配車係」等、「業界従事者」へのアルコールチェック義務づけという考えは、自然なものではないでしょうか。少なくとも航空業界はすでにそうなった、という状況があります。


酒気を帯びて、設計業務をしてはならない?

実は、こんな規定まで・・。


また、当該認定に係る航空機又は装備品の設計、検査及び確認に従事する者については、以下の事項が遵守されること。

a. 安全かつ的確に業務が行えないような体の不調等を感じたときは、設計に係る業務を行ってはならないこと。
b. 酒気を帯びた状態(体内にアルコールを保有する状態をいう。)の間、及び薬物の影響により正常な業務ができないおそれがある間は、設計に係る業務を行ってはならないこと
c. 法律で禁止された薬物の使用に依存してはならない

https://www.mlit.go.jp/common/001297922.pdf
「事業場認定に関する一般方針 国土交通省航空局安全部航空機安全課長」