運転免許証チェッカーとアルコールチェッカーはなぜ相性がよいのか? 白ナンバー飲酒検査義務化を機に、IDのあり方や運転免許証管理のデジタル化を考える。
1.日本で、身分証と言えば?
はい。運転免許証がもっとも多く使われているのではないでしょうか。
でも最近は運転免許証を持たない人も増えてきているようですね。そもそも15才以下は、運転免許証を持てないですからね。
そうすると、健康保険証やマイナンバーカード、パスポートが、いわゆる、「ID」でしょうか。
さて、最近、公的カードのICカード化が進んでいます。
わたしたちは、普段、カードのICチップに書き込まれたID(identification) 、つまりデジタルなID情報を、すでに持ち歩いているわけです。いつのまにか。
身分証明(本人確認) | ICチップ | クルマを運転できる | |
運転免許証 | ○ | ○ | ○ |
パスポート | ○ | ○ | |
マイナンバーカード | ○ | ○ | |
健康保険証 | ○ |
整理すると、こんな感じでしょうか。
2.IC運転免許証と、ICリーダー
そもそも、身分証明としてもっとも多く使われている運転免許証なのに、カラーコピーや券面の細工が、実は非常にカンタンでした。
日本では、ながいあいだ、「免許証のコピー」という身分証明・紙コピー文化があったと思います。
ところが、いつしかカラーコピーの技術があがりデジタル複製も容易になり、かつインターネットを通じた闇サイトでの偽造請負等、犯罪サイトも増えてきました。
このような時代背景や、半導体チップ(メモリ等)コストが下がったという背景もあり、2007年から2011年にかけて、全国で運転免許証のIC化が行われました。
精巧に細工された表面の内容が間違っていても、なかなか気づけません。しかし、ICチップの中身は、そうカンタンには細工できません。
IC運転免許証リーダーによって読み出した情報と、表面が違っていれば・・・それは、細工された免許証の可能性が高いのです。でも、ふつう、企業では、わざわざ運転免許証リーダーを持たないですよね? というか、提出された免許証の有効期限切れが加工されてるなんて、疑わないですからね。
IC運転免許証のチップを読み出すリーダ製品が増えてきました。
「ICリーダー 運転免許証」
「運転免許証リーダー」
と、検索してみてください。
運転免許証のICチップの中身を読み出せるいろいろなリーダーが出てきましたよね?
なぜこんなことが出来るのか?
IC運転免許証内のデータ構造
はい。IC運転免許証の内部構造は、仕様書としてデータフォーマットが公開されているのです。
これをもとに、各アプリメーカー、リーダーメーカー、はこれを参考にリーダー製品を開発するわけです。
当社のアルコール測定システムIC免許証スターターパックや、IC運転免許証リーダー/IC社員証リーダー内臓ALC-mini4 ICも、当然これに倣って開発しています。
3.日本のID業界 黎明期? マイナンバーカードと健康保険証
世はいつのまにかデジタル化、DXが叫ばれはじめ、政府でもデジタルガバメント中期計画が策定されました。
そして、コロナ禍により、「テレワーク」「脱ハンコ・脱紙文化」の追い風となり、にわかに各省庁でもさまざまな動きが出てきました。
そう、たとえば、この動き。
国民のIDをデジタル基盤上で共通化すると、誰にどんなメリットがあるか?
何度読み返してみても、理解するのに時間がかかります。みなさんはどう思われますか?
すぐにでも申込みます?
4.マイナンバーカードでデジタル運転免許証?
何が何だかわかりますか?
つまり、、、運転免許証を家に忘れていても、マイナンバーカードのICにある運転免許証情報があれば、不携帯にならない、と?
便利なような、便利じゃ無いような・・マイナンバー普及!!!感が強すぎて、テクノロジーの利便性があまり感じられないという・・。
全国でのシステム統合完了には、現時点では、令和7年度までかかる見込み。令和8年中に一体化を開始予定であるが、さらに早期実現が図れるよう鋭意検討中。
5.ICカードではなく、スマートフォン=ID=身分証明
IDがらみで経産省でも動きがあります。
海外において身分証明機能をモバイル機器に持たせる取組が進みつつありますが、モバイル機器自身はグローバルに流通する製品であるため、実際にモバイル機器にパスポートや運転免許証等の高精度な本人確認を必要とする身分証明機能を搭載する上では、複製・偽造・改ざん等を防止するための国際的な仕組みを整備し、ICカードと同等以上のセキュリティ機能が必要です。そのため、身分証明書の機能をスマートフォンのアプリで実現し、必要に応じて最新の身分証明書情報への同期やセキュリティの更新等を担保するための仕組みが国際的に検討されています2。
この仕組みについては、これまで4つの視点(次ページの図参照;パート2~5)で国際規格開発が進められてきましたが、この度、日本から、5つ目の視点として、重要情報の安全性確保のための「セキュアエリア3の信頼度に関する認証利用の仕組み」に関する提案を行ったところ、2020年5月にISO/IEC専門委員会で正式に承認され、国際標準化の審議が開始されることになりました。
このような、国際的なテクノロジーの動向・標準化ありきのほうが、省庁間の利害というか、縦割り感がなく、理解しやすい気がします。
コレのことかもです。
6.モバイル運転免許証の国際規格
一般社団法人UTMS から、2021年10月にモバイル運転免許証の国際規格の最新情報が公表されています。
「この標準の発行により、世界の運転免許証発行者が自信をもってmDLソリューションを普及させ、世界中の運転免許証検証者がmDLリーダを実装もしくは採用するための道のりを明らかにするものです」
さて、日本政府は、警察庁、経産省、総務省、厚生労働省、デジタル庁、国土交通省という、デジタル運転免許証や、国民IDの観点で、縦割りを廃し、未来へむけて、テクノロジーベースの正しい舵取りをやってくれるでしょうか?
恐ろしい、無免許運転者数
みなさん、知っていますか? 無免許運転(不携帯じゃないですよ)がいかに多いか!?
無免許運転 19225
酒気帯び運転 21963
令和3年警察白書 統計資料より
https://www.npa.go.jp/hakusyo/r03/data.html
ほんとに多いんです。無免許運転。飲酒運転の2万にほぼ近い件数です。
無免許で運転するひとは、ほぼ故意犯で、反社会性が高いと言えます。
実際、無免許運転者の事故は、高いんです。少し古いですが、以下、ITARDAの無免許運転者レポートをご覧ください。
無免許運転者の特徴
・事故後に逃げる。
・飲酒運転も多い。
・シートベルト、ヘルメットを着用していない
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2022年 安全運転管理は、運転免許証チェッカー✕アルコールチェッカーで。
さて、今年の10月から白ナンバーのアルコール検知器義務化が始まります。
どんな検知器で、どんな運用を?と悩まれている企業が多いと聞いております。
悩まれている方に、胸を張って売り込みたいです。
運転免許証リーダーのないアルコールチェック単体運用なんて、ありえない、と。
言ってみれば、白ナンバー専用マシン。迷ったら、この一手で。
以上、一社に一台、東海電子のエントリーモデル ALC-miniⅣ IC 社員証対応VERの宣伝でした。