ロボット点呼、いよいよ、無人(運行管理者同席無し)実証フェーズへ
今月10月から、運行可否をするヒトが不在前提の自動点呼、つまり無人点呼・セルフ点呼が実施されます。
(乗務後点呼のみですが)
運行管理高度化検討会(R3 第2回)
去る9月28日、実質第3回目(R3としては2回目)の運行管理高度化検討会の資料が公表されております。
運行管理高度化検討会では4つのカテゴリーにわけて、討議や実証実験を行っています。
1.遠隔(IT)点呼の対象拡大
2.自動点呼
3.運行指示書の一元化
4.運行中以外の業務の一元化
ひとつひとつ見ていきましょう。
遠隔点呼(IT点呼)、の続報
実証実験中の、7社。この3ヶ月のあいだに1社(タクシー)で中断があったようです。
実証実験で得ている情報。
今回3つにわけて評価状況が報告されています。
対面とくらべてどうか? 遠隔点呼時にヒヤリハットは増えるか? 現場での課題は?
遠隔点呼、ヒヤリ、あったか?
おっと、日立物流SSCVというモノが登場しましたね。以前からこのシステムの話は出てましたっけ?
https://www.hitachi-transportsystem.com/jp/sscv/safety/
なるほど、運転開始後のデータ取りですね。
・・・遠隔点呼って、IT点呼ですよね。シンプルに、過去10年、数千者にも上るIT点呼ユーザへのアンケートを子なったほうが、よりリアルなような気が・・。
「IT点呼にしてから、運転者の安全運転評価点はあがりましたか、顕著にさがりましたか?」的な。
運輸支局に届け出されているすべてのユーザを把握しているはずなので出来るはずなのですけどね。
ここは必読・・。実証実験の実態と、事業者の考えが見えてきます。
さて、「高度な点呼機器」の要件は、過去の「国土交通大臣が定めた機器」や、「過労運転防止機器 ITを活用した遠隔地点呼機器」と、どう違いをもうけて「高度」と定義することになるのでしょうか・・・。
高度、が出来るということは、いままでのIT点呼機器は、高度じゃないという位置づけに・・?
過労運転防止機器の要件も変わる?
「土地勘 問題」(!) が出てきました。
確かに、沖縄の運行管理者が、網走営業所から吹雪きのなか出発するドライバーへ点呼する場合・・。
確かに、ゆったりとした地方営業所の運行管理者が、都心部のごちゃごちゃした場所へいくドライバーへ点呼する場合・・。
「情報共有に係る事項」
・・・実証実験でグループ企業間点呼が出てきたことで、IT点呼とグループ企業内点呼と共同点呼(受委託点呼)の未整理話が浮上しているように思います。
国土交通省 トラック運送事業において受委託点呼(共同点呼)を導入します!https://www.mlit.go.jp/report/press/jidosha04_hh_000059.html
全日本トラック協会 受委託点呼のQ&A集について
https://jta.or.jp/wp-content/uploads/2020/11/qa.pdf
さて、ここまでが、9月までの実証実験、以下は、10月からの話です。
実証実験、第二弾。
遠隔(IT)点呼第二弾は、3社があらたに加わっています。
①~⑯の実証内容項目はかわらず。
あらたな事業者(みちのりグループ様)
あらたな事業者(遠州鉄道様)
あらたな事業者(皆生タクシー様)
確実性評価(4月~8月)
確実性評価のアップデートもあわせてご確認ください。
ここからは、自動点呼、いわゆるロボット点呼。
こういうスケジュールです。いまここ、です。
いよいよ、無人フェーズ「運行管理者同席なし」実験へ。
自動点呼 15課題(①~⑮)
今月10月から始まっている「運行管理者立ち会い無し」、には以下条件がつくようです。
運行管理者の点呼時の立会いは原則なしとするが、緊急時に即座に対応できるように、営業所への出勤は必須とし、点呼簿にはその時間帯に出勤している運行管理者の氏名を記録すること。
点呼状況の抜き打ちチェックや監視カメラの設置により、なりすまし等の抑制に努めること貸与している機器で対応しきれない点呼回数が発生する時間帯や、機器で伝達できない事項がある場合等、機器による自動点呼に加えて、運行管理者による対面点呼で補うことを許容する。
(その場合、どのようなケースにおいて運行管理者の立会いが必要になったか国交省に報告すること)
以上が、自動点呼の検討状況でした。
ここからは、「運行管理の指示書の一元化」です。
運行管理指示書の一元化 スケジュール
10月から、3事業者が候補にあがっている。
いわゆる、高速バスで実施ということのようです。
13の課題(①~⑬)
議事録。
○ 遠隔点呼の制度化に向けた中間取りまとめ案の中には、従来の対面点呼と同等よりも厳しい要件も含まれる。制度化にあたって、走り出しは従来の対面点呼と同等の確実性を担保する要件で始め、将来的には事業者の負担にならない範囲で費用が掛からず、より高い確実性を求める制度を目指すべき。
○ 遠隔点呼の機器・システムが満たすべき要件を検討する際には、機器とはどこまでの範囲を指すかを明確にすべき。また、機器の構造そのものを要件とするか、達成すべき機能を要件とするか、整理して考えるのが望ましい。
○ 中間取りまとめ案の中で、運行管理者等が実施できる遠隔点呼の回数の上限や、遠隔点呼の実施時間の制限については、全国の事業者が遠隔点呼を実施するにあたって、過度な障害とならないように配慮の上、検討いただきたい。
○ 自動点呼の実証実験において、現在使用している機器は全て同一のものであるが、今後メーカー開発が進むに従い、別の自動点呼機器も用いて実証実験を行うのが望ましい。
○ 自動点呼の実証実験2次期間においては、運行管理者が点呼場に立ち会う必要はないが、緊急時に対応する体制を整えるために、営業所への出勤は必須とされている。最終的なゴールは運行管理者が営業所に出勤せず、完全無人で点呼が実施される状態が望ましいので、段階的に実証実験を進めていただきたい。
○ 自動点呼について、本質的なトラブルと自動点呼機器の取り扱いに慣れず発生するトラブルは整理して捉えるべき。実証実験にあたっては、多くの機能を試行することが望ましいが、点呼実施時間が長くなることが想定されるため、同一営業所に機器を複数台設置することも、実証実験で取り扱ってほしい。
○ 対面点呼と自動点呼で、点呼の質に差が出るかどうかを検証するための指標を設定することはできないか。自動点呼は対面点呼に比べれば点呼の質は落ちるのではないかと思料するが、制度化にあたっては、どのレベルまで許容するかを慎重に検討されたい。
○ 運行指示者の一元化に関しては、高速バスの乗り換え運行、トラック事業者の中継輸送のケースも、今後検討のスキームに取り入れていただきたい。
長くなりましたが、9月28日の検討会資料を ざっと確認してみました。
みなさま、如何でしたでしょうか? どんな実験なのか、どんなことを確認しているのか、要件がどうなるのか・・、当社なりに、今回の内容から、浮かび上がってきたキーワードが2つほどありました。
今後の商品開発の参考にしていきたいと思います。
資料はすべて運行管理高度化検討会 ウェブサイトより
https://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha_tk2_000082.html