みなさん、「警察庁」に言いたいことは言いましたか? 白ナンバー飲酒検査義務化へのパブコメ、東海電子の提出内容について
先般9月3日、警察庁より、白ナンバーアルコール検知義務化を2022年4月に開始する道交法施行規則改正のパブリックコメントの募集がありました。
先日10月3日に募集締め切られました。当社もコメントを提出いたしております。
今回、当社が警察庁に意見提出した、パブリックコメントの内容をご紹介したいと思います。
まずは、現在警察庁から発表されております、白ナンバー飲酒検知義務化の内容を再度確認してみましょう。
~検知義務化概要~
これを見ると、大まかには国土交通省が行った運輸事業者様向けのアルコール検知器義務化を踏襲しているように感じます。
ですが、運輸事業者様向けでは実施していることが出来ていない部分もございますし、何より現状でも運輸業界において飲酒運転が根絶できていないことからも、まだまだ飲酒検知器に関する法令(省令)では改正すべき点が数多く残されているようには感じられます。
いろいろ思うところはありましたが・・・今回当社としては全部で10項目にとりまとめパブリックコメントを提出いたしました。
以下、提出した意見のうち主要な項目をピックアップしてご紹介いたします。
アルコール検知器の要件について
アルコール検知器の機器の要件としては『国家公安委員会が定めるもの』という前提の上、上記の通りの要件となっておりますが、やはり不十分だと感じられてなりません。
そこで当社としてはアルコール検査の信憑性を高めるため、アルコール検知器の精度や、記録の保存に関する機能等に関する規定をしっかり行うべきと訴えかけております。
尚、参考までに、海運分野の飲酒対策に関する検討会における「海運分野における新たな飲酒対策について」では、下記の旨が記載されております。
アルコール検知器については、他モードで利用され社会的に有効性が認められているもの(例えば、アルコール検知器協議会が認定し、自動車分野で広く利用されているもの)を使用することとし、アルコール検知器の入れ替えにあたっては、現在の検知技術水準等を勘案し、次の性能の機器が推奨される。アルコール検知器の分解能等については、0.01mg/L 単位で表示可能なもの(最低測定限界は 0.05mg/L)。
まずは、この辺りを参考にしていただきたいものです。
アルコール検知義務化違反に関する罰則について
今回の道路交通法改正においては、安全運転管理者のアルコール検知義務化を謳っておりますが、その実行について罰則規定を設けておりません。
これでは、せっかくの法律改正も効果が不十分であることが予想されますので、当社としてはアルコール検知の義務化のみならず、検知器備え義務違反、常時有効保持義務違反、測定結果の記録違反などについても罰則規定を設けるよう訴えかけております。
尚、現在の運輸事業者様向けのアルコール検知器義務化においては、これらの項目についてもしっかりと罰則規定は設けられております。
アルコール検知器導入についての助成制度について
こちらについては、今後明確にされるかもしれませんが、やはり普及促進を考えた場合、公的機関による購入助成の制度は必須と言えるのではないでしょうか。
とはいえ、かつていくつかの機関で行われた安価なハンディタイプの無償配布は、間違ったメッセージとして、各事業者の方々の安全意識を低下させることにもつながりかねません。
更に言えば、別の省庁である経済産業省監督のもと実施されている『IT導入補助金2021』などの制度では、中小企業、小規模事業者のITツールを導入する経費の一部を補助するというようなことも行われており、これらの理念と矛盾しないような、高度な機器の導入につながるような助成制度を是非とも期待したいところです。
いかがでしょうか。
パブリックコメントは、個人や企業が、国が決める法令や規則に対して、「公式」に声をあげる、唯一の機会です。
ここで声を挙げないと、「国民、市民、企業は、納得している」こととされます。
みなさまは、一個人、一企業として、どんな意見を提出されましたでしょうか?
飲酒運転防止装置メーカーとして、いち一般事業主として、当社が提出したパブリックコメント全文をリンクしておりますので、よろしければ他の内容についてもご覧ください。
【東海電子 パブリックコメント提出内容】
https://transport-safety.jp/wp-content/uploads/2021/10/9b91026ecccad14818e17b703bcd2983.pdf