【ベトナム】バスドライバーのアルコールチェックと、アルコール被害防止法の関係
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2019年6月14日 ベトナムの第14期国会 第7回会議において、『アルコール被害防止法』が可決され、2020年1月1日から施行されています。
日本でいう、「アルコール健康障害基本法」のようなものでしょうか。
原文を日本語訳にしてみました。
ベトナム政府が、アルコールや飲酒の問題をどうとらえているかがわかります。WHOの世界戦略や、日本の「アルコール健康障害基本法」と比較して読むとよいかもしれません。
日本のアルコール健康障害対策基本法について
アルコール健康障害対策基本法とは、2013年に我が国で成立した法律です。アルコール関連問題に対して、国として包括的かつ永続的に対策を行ってゆくための基本法的な位置づけです。これにより、アルコール問題に対して、国の役割、各省庁の役割、各自治体国の役割が定められたことになり、国としての総合的な対策の第一歩が始まりました。
<アルコール健康障害対策基本法 本文>
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12200000-Shakaiengokyokushougaihokenfukushibu/joubun_1.pdf
<その他 アルコール健康障害に関する厚生労働省資料>
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000176279.html
ベトナムでは、いまのところアルコール検知器は義務化されてないが・・
さて、今回のベトナムの『アルコール被害防止法』ですが、アルコール健康被害、健康被害の防止を主としつつ、飲酒運転問題への対応も当然含まれています。
一般ドライバーへの対応と、運輸事業者の対応については、下記21条です。
第21 条、飲酒に関連する交通事故の防止
運転者は、運転前・運転中に酒類やビールを飲んではなならない。輸送業者の長・車両所有者は、運転者が運転前・運転中に酒類やビールを飲むことを防止・発見・阻止するための措置を主体的に講じる責任を負うものとする。
管轄機関・権限を有する者は、通行中の、または交通事故を起こした運転者に対し血中・呼気中アルコール濃度を検査する責任を負うものとする。
交通運輸省は管轄範囲内で、運転免許の教習プログラムにおいて、アルコール被害防止に関する内容の作成、訓練指導を行う責任を負うものとする。
ココです。
「輸送業者の長・車両所有者は、運転者が運転前・運転中に酒類やビールを飲むことを防止・発見・阻止するための措置を主体的に講じる責任を負うものとする」
これをうけて、ベトナムでは、バス会社(輸送業者の長・車両所有者)は、いわゆるアルコール検知器を、義務ではないのですが、導入するケースが増えております。
現在当社は、トライアルではありますが、『ALC-PRO2』をハノイにあるバス営業所でご利用いただいているところです。
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教育も重要です。
国が変わっても、アルコールや飲酒運転の問題解決には、「教育」が必要です。
交通運輸省は管轄範囲内で、運転免許の教習プログラムにおいて、アルコール被害防止に関する内容の作成、訓練指導を行う責任を負うものとする。
となっています。
日本と同じように、飲酒運転防止には、アルコールの基礎知識の教育が欠かせません。アルコール検知器の導入前に、ベトナム人ドライバーに対して教育を実施しました。
いかがでしたでしょうか。
アルコールの問題は、国は違えど、やはり健康や飲酒運転の問題があり、各国知恵をしぼって対策をしていることがわかります。