警察発表と運輸局通達と、コタツ記事を鵜呑みにしてはいけない。再発防止という言葉がむなしく響く5月の事故の件。
緑ナンバーの事故が起きると、警察から運輸局(国土交通省)へ通報が来ます。
重大事故の場合、運輸局から国土交通省に連絡が来て、毎週金曜日に「速報事案」として”事業用自動車安全通信”というメールマガジン” に記載されます。
5月6日、群馬県で起きたとある事故は、3名死亡ですから当然速報事案として事業用自動車安全通信でも公表されていました。事業用自動車安全通信 第759号(2024年5月10日発行) です。
過去の飲酒運転事案の速報メールを見ると、ほぼ、飲酒の事実認定が済んでいることが多いです。
この5月の3人死亡事故は、5月10日のメール文面を見る限り飲酒の情報がなかったため、不注意運転か居眠りなんだろうな、と私は思ってました。
3ヶ月たってから、は異例か?
事故時には意識がないことが多いため、ドライバの呼気測定ができないことはあります。そういうときは血液を採ります(おそらく病院に運ばれてから)。
なので、5月7日~10日にかけて、血中アルコール検査の結果が分からず、速報内容に飲酒可能性が示唆されていなかったということはあり得ると思います。
なので、体内アルコールの検査結果(血液検査)のタイミングによっては、国土交通省の速報事案メール時に「飲酒運転であった」と書けないという状況は十分あり得ます。
3ヶ月経ち、今週に入って。
群馬県警が、運輸局や記者室にどう伝えたのかはわかりません。
唐突に、あの5月の3人死亡事故は飲酒運転だった、との報道が流れました。
みなさんも今頃 目にしているかもしれません。
新聞やテレビの記者のかたがた、警察の一部の方はアルコールチェックの実施について、「運転前」とか表現をしているようですが、この表現は、要注意です。
「通勤・出勤時のアルコールチェック」(個々の会社のマイカー通勤規則)
「業務前の、点呼執行者による点呼時のアルコールチェック」(輸送安全規則7条)
この2つを厳密に使い分けた説明をしていないと思います。
責任の重さ、罰則、意味が違います。
国交省・運輸局は、公式には「過労運転」の認識のまま。
少なくとも、5月17日、国土交通省・運輸局側は、10日たった時点で、「飲酒運転の可能性」はまったく認識していなかったようです。以下をご覧ください。
日付は5月17日です。
10日たっても、警察は運輸局に、飲酒運転の可能性を伝えていない??
10日たっても、会社側は、事故報告規則に「健康起因」とか? その他? とか?
事実がわかるのは、2年後かもしれない。
事実認定が遅れたことに何らかの理由があるのかもしれません。
事業用自動車事故調査委員会は、いずれ、当該ドライバーの所属している企業に対し 詳細な聞き取りを行い、分析結果を公表するでしょう。が、早くて1年、遅くて2年、もっと遅いと3年以上か・・。
この間、刑事事件の経緯が一部報道されることはあるかもしれません。そして事故調査委員会のレポートでも多少分かることはふえるでしょう。しかし、最後は、傍聴と判決文でしか事実を知ることはできないでしょう。
今日以降あと1年、2年この事故において何が起きていたのか、想像やウワサはたくさんでるでしょう。
すでに、「アルコールチェックすりぬけ」という、事実なのか、何なのかわからない記事を目にします。
数々のメデイアは、大した情報を取ることもできず、小出しにされる断片情報を深掘り調査もせず、タレながすことでしょう。それを拡散するひとも現れるでしょう。
ご遺族の傷をえぐるような取材をしても、「あの瞬間」に何が起きていたのか、加害者がどういうひとであったのか、わかるのは いつでしょうか? 5年後?
今回、事故当日から今日まで、違和感があります。
事故現場そしてその後の救護措置において、誰かが何か大きなミスをしたのか、公に出来ない何かが発見されたのか・・・
https://laws.e-gov.go.jp/law/425AC0000000086
だから慎重に捜査をしていただけかもしれない?
そしてまた、飲酒運転遺族、加害者家族 が増えました。
再発防止という言葉がむなしく響く、そういまは1999年ではなく、2025年夏。
関東運輸局におかれましては、事故後の特別監査の結果、出しますよね?