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緑ナンバーでもなく白ナンバーでもない、自家用有償旅客運送事業のアルコール検知器義務化反対の声に対する、国土交通省と警察庁の回答はこうだ!


2.自家用有償旅客運送事例

白でもなく、緑でもない、うぐいす色ナンバー? エメラルドグリーンナンバー? とでも言いましょうか。
自家用有償旅客運送者の話です。

タイトル長くてすみません。
でも正確に言えばこんな感じです。

「白ナンバーのアルコール検知器義務化のパブリックコメント時、自家用有償旅客運送者が一斉に「反対」の声があがり、これに対して、国土交通省(道路運送法)と警察庁(道交法 安全運転管理制度)が考えた結論が、この度パブリックコメントで公表されました。自家用有償運送者から今度はどんな反対の声があがるだろうか?」



自家用有償旅客運送事業は、アルコール検知器義務化対象外だった。

 

運輸業界の方が多いので、自家用有償旅客運送そのものについては解説を省きます。以下リンク参照ください。








さかのぼること10年前、緑ナンバーのアルコール検知器使用義務化が開始されました。
このとき、自家用有償旅客運送者は、「アルコール検知器使用義務除外」とされました。
 

 


その後、2021年10月、道路交通法施行規則改正により、安全運転管理者選任事業所におけるアルコール検知器の使用義務化が決まりました


自家用有償旅客運送者は、「運行管理の責任者」と、「安全運転管理者の選任」を併用して、交通安全業務を実施してきました。そもそも、実態として、似たような業務を行うひとが2人必要だったというわけです。



ところが、今般の改正道交法施行規則(アルコール検知器使用義務化)は、自家用有償運送者のうち、安全運転管理者を選任している事業者にとっては、いくら悲痛な事故の結果とは言え「除外されていたのに」という思いや、「規模からしてムリ」という反応が多く、結果、パブリックコメント募集時に相当な数の自家用有償旅客運送者が反対の声を上げました。


こちらの記事を参照ください。

https://transport-safety.jp/archives/10334

いくつか抜粋してみます。


 

私たち、〜〜は、高齢者や障害児者の外出支援サービスを行っています。 福祉車両3台と活動メンバー11人の自家用車を使った、福祉目的の○○での地域住民の助け合いによる外出支援サービスです。 安全運転管理者を選任し、安全運転研修や介助技術の向上のための学習会を定期的に開催するなど、利用者が「安全安心」に外出できるよう努めています。 安全運転管理者の責務として、運転者の飲酒の有無を確認することは従来から定められておりますが、今回の改正案では、さらに運送の前後にアルコール検知器を用いて行うとなっています。 私たちが行う外出支援サービスは、隣(助手席)や後部座席に、利用者やそのご家族が同乗していること、また利用者とは、移乗介助や、車内で会話をするので、飲酒に対する相互牽制が働きます。 以上のような理由と活動内容から、アルコール検知器での確認は不要と考えています。一律に定めるのではなく、福祉目的の非営利団体の活動に対しては除外する措置を求めます。 また、アルコール依存者の運転行為を防ぐための対策として、早急に、アルコールを検知したらエンジンがかからないなどの自動車の開発を国としても進めてください。 以上。


  

NPO法人福祉有償運送団体に対してのアルコール検知器義務化には反対意見です。 福祉有償運送団体は会社組織とは異なり団体の利益目的ではなく利用者の外出支援目的です。利用者は高齢者や障がい者で皆顔なじみとなっており、介助で触れあうことも多く病院や買物の付添も多々あります。このような外出支援活動で、飲酒・酒気帯び運転をするなど問題外です。 法令違反をしてまで運行をする理由がありません。できない場合は代行者に代わるか、利用者に説明してお断りします。これは利用者の顔が見えているからこそできることですし、非営利団体だからこそ可能だと考えます。 福祉有償運送の特性上、アルコール検知器での確認しかも運行前後での実施義務というのは大変違和感があります。非営利で何とか活動している現状において、財政的にも負担となるアルコール検知の義務化は反対いたします。非営利団体が仮に飲酒・酒気帯び運転をするなら、そもそも団体としての資格はなく、やめるべきと考えます。

 

安全運転管理者の責務として、運転者の飲酒の有無を確認することは従来から定められ実施されてきた。飲酒の有無の確認を、運送の前後にアルコール検知器を用いて行うという今回の改正案の背景には、八街市で発生した自家用トラックの運転手の飲酒による死事故があると拝察される。法令違反とモラル欠如の甚だしい事故であり、意識を変える教育や指導を並行して行うべきである。 一方で、自家用自動車を使用する事は多様である。飲酒の有無を、アルコール検知器を用いて確認することについては、法令順守とモラル教育を実践推進してきた事業者を含め、一律に規制強化を行うことは避けていただきたい。特に、自家用有償旅客運送においては、次のような理由から、安全運転管理者にアルコール検知器による確認を義務付けるべきではないが、もし一律に義務付けるのであれば、国家公安委員会が定めるアルコール検知器の購入費及び維持費は公費で負担すべきである。 1.自家用有償旅客運送を行う者は、市町村ならびに非営利団体である。「有償」といっても、利用者から受け取る対価は、「営利を目的としているとは認められない妥当な範囲内であり、かつ、地域公共交通会等において協議が調っていること」とされており、実際は不採算事業となっている団体が多い。また、非営利団体のなかには財政規模の小さい特定非営利活動法人や法人格を有しない地縁団体が含まれている。運転者の所有自動車も団体との契約のもとに多数活用されており、遠隔地等で事務所に寄りがたい場合は、バス・タクシー事業者と同様の取り扱いを想定すると、運転者ごとにアルコール検知器の携行が必要となる。常時有効に保持することを含め費用負担は大きい。 一律に義務付けられた場合は、存続ができない団体が出ることは想像に難くない。もともとタクシー等によっては運送しがたい地域や利用者を対象すると定められており、利用者に大きな影響が出る。 公共交通機関ではカバーできないニーズや地域が増える中、自家用有償旅客運送等の市民が中心となった非営利による移動サービスは一層必要性が高まっている。ボランタリーな活動が中心であり、それらが萎縮しないよう、財政的実務的負担を軽減することは喫緊の課題である。 2.自家用有償旅客運送が道路運送法に規定されて15年になる。交通空白地有償運送と福祉有償運送の二種がある。法制度により運行管理の責任者の選任が義務付けられており、安全運転管理者等が務している。事故については都度報告義務があるが、自家用有償運送の死亡事故は令和元年度においてゼロである。(国土交通省資料)。 3.自家用有償旅客運送は、交通空白地有償運送と福祉有償運送の二種があり、いずれも利用者は、ある程固定化し顔見知りの関係である。特に福祉有償運送は、単に人を車に乗せるだけのサービスではなく、利用者への介護や付き添い等が伴うサービスであり、運転者が飲酒していれば利用者に気づかれる関係にある。利用者を意識することで飲酒や酒気帯び運転はあってはならないという運転者の自制・自覚につながっている。利用者家族や市町村からの評価も常に意識されているため、安全運転管理者も運転者も安全面には特に敏感である。 加えて、乗降時の介助や場合によっては外出先での付添い介助も行うため利用者の体に触れることが多く、飲酒のみならず喫煙についても禁じている団体もある。普段から飲酒をしない人に対してまで、これだけ抑制されているにもかかわらずアルコール検知器による確認を乗務の前後に行い、また運転者に携帯させることは実質的には意味がないと考えられる。それでも一律にアルコール検知器による飲酒の有無の確認を義務化するのであれば、その費用は、公費で負担するべきである。

 

「運行管理の責任者」の業務は、結局どうなる?

このような声がありましたが、結果的に国土交通省は、自家用有償旅客運送事業者のうち、安全運転管理者選任事業所へのアルコール検知器使用義務付けを施行することにしました。
 




自家用有償旅客運送者であっても、安全運転管理者選任対象であれば、アルコール検知器義務化対象です、と。

 



自家用有償旅客運送者のアルコール検知器義務 新たなパブリックコメント開始




 







内容をみてみましょう。


そこで、今般、道路交通法の一部を改正する法律(令和4年法律第32号。以下「改正道交法」という。)による改正後の道交法において、従来、安全運転管理者が行っていた業務と同等の業務を運行管理の責任者が行うことを前提に、自家用有償旅客運送者は安全運転管理者の選任義務の対象となる事業者から除外されることとなった


4月1日から、どうやら今般の道交法改正により、すでに、自家用有償旅客運送者は管理者のダブル設置が不要になっていたようです。

(申し訳御座いません。今回この件、はじめて気付きました。また、該当改正部分 根拠文書が見つけられていません)

① 自家用有償旅客運送者は、乗車定員11人以上の自動車1両以上又は乗車定員10人以下の自動車5両以上の運行を管理する事務所(以下「特定事務所」という。)の運行管理の責任者に、運行管理に関する講習を定期的に受けさせなければならないこととする。

 


② 自家用有償旅客運送者及び特定事務所の運行管理の責任者は、特定事務所においては、安全運転管
理者が担ってきた以下の各業務に相当する業務を行わなければならないこととする。
(ア) 運行計画の作成(道交法施行規則第9条の 10 第2号)
(イ) 長距離運転又は夜間運転の場合の交替運転者の配置(同条第3号)
(ウ) 異常気象時等の安全確保の措置(同条第4号)
(エ) 運転前後の運転者に対する酒気帯びの有無の確認及びその記録(同条第6号及び第7号)


 

③ 自家用有償旅客運送者及び特定事務所の運行管理の責任者は、特定事務所においては、アルコール検知器を常時有効に保持するとともに、運転者に対する酒気帯びの有無の確認の際にアルコール検知器を使用しなければならないこととする。


① 特定事務所の運行管理の責任者に受けさせなければならない講習は、旅客自動車運送事業運輸規則第47条の9第3項、第48条の4第1項、第48条の5第1項及び第48条の12第2項の運行の管理に関する講習の種類等を定める告示(平成24年国土交通省告示第454号)第2条第2号で定める一般講習とする。

 

② 自家用有償旅客運送者は、特定事務所の運行管理の責任者に、当該運行管理の責任者が選任された日の属する年度の翌々年度以後二年ごとに、前記①の講習を受けさせなければならないこととする。


 自家用有償旅客運送者が特定事務所において安全な運転のための確認等において用いるアルコール検知器は、呼気中のアルコールを検知し、その有無又はその濃度を警告音、警告灯、数値等により示す機能を有する機器とする。

 

 

結論は、強化。

「自家用有償旅客運送者の運行管理の責任者によるアルコール検知器使用義務化」(いわゆる5両以上)
「自家用有償旅客運送者の適性管理の強化」


総じて、強化されたのだと思います。福祉輸送であろうが、過疎地域の村民の足であろうが、輸送の安全は一緒、ということかと思います。

ということで、今日時点で国土交通省が提示している以下のような内容は、


→パブコメ後、変更?


 →パブコメ後、変更? 




こういうこと?



国土交通省は、これ(検知器義務化)を機に、明確に、検知器以外の安全管理強化をも図った・・ってこと?



パブリックコメント、荒れるのでは?? 
 
意見募集期限は2022年7月16日です。